漠然

漠然
全てのものを捨てたい。
身軽になりたい。
またじわじわ真綿で首を絞められているような。
確実に自滅なんだけど。
満たされているからこそ不安で。
私は強くない。
毎日笑顔の裏で、死んで楽になりたいと願う。
生き続けたいという希望の底から伸びる死への誘惑。
捕まらないよう。戦っているけど。
背中から抱きしめられてそのまま委ねたら。
鍵をぶっ壊してキチガイアンテナを解放したくなる。
正気に戻れないんじゃないかという不安。
理性を手放す事による大きすぎる代償。
平穏で幸せな時を過ごしたからこそ分かっている。
落ちたら上がるのに大変すぎることを知っている。
それでもあの仄暗い小さな世界に惹かれるのだ。
こんなにも愛されているのに。
気がつけばひたひたと満ちた潮のように。
愛される重みに溺れて窒息しそうだ。

name
email
url
comment